【名古屋市名東区】極上の焼菓子・コーヒー・花を日常に♪西山商店街再生の拠点「ニシヤマナガヤ」
星ヶ丘駅徒歩圏内の名東区「西山商店街」にある、焼菓子・コーヒー・お花という素敵なお店が集まった複合商業施設「ニシヤマナガヤ」に伺いました! 先日の2024年12月15日の記事で私設図書館「暮らせる図書館」について書きましたが、「ニシヤマナガヤ」は西山本通を挟んだ向かい側にあります。この記事は「暮らせる図書館」の記事と一緒に読んでいただけるとより分かりやすいと思います。「西山商店街」は住民の方々が独創的な方法で地域コミュニティを創造している、「街づくり」の実験室のような非常に興味深い場所です。
寂れていた西山商店街再生の拠点となったニシヤマナガヤ
「ニシヤマナガヤ」は一時シャッター商店街となっていた「西山商店街」再生の起爆剤となった施設です。
高度経済成長期の1961年、日本住宅公団が周辺に4ヶ所の団地を建設したため、住民の日常の買い物のために「西山商店街」は作られました。100mほどのかわいらしい商店街には1979年にアーケードも作られ盛況でしたが、平成になると次第に星ヶ丘や長久手市、日進市の大型商業施設に客が流出し、2015年頃には営業している店舗が5、6軒という非常に寂しい状況だったそうです。
しかし2018年に名古屋市の商店街活性化プロジェクト「ナゴヤ商店街オープン」に参加した事がターニングポイントとなり、2019年に「ニシヤマナガヤ」が誕生しました。「ナゴヤ商店街オープン」のサイトに「ニシヤマナガヤ」の皆さんの座談会の記事があります。また愛知県のサイトの「商店街活性化モデル事例」のページに西山商店街の事例が詳しく載っています。
「ニシヤマナガヤ」は「植村康平建築設計事務所」の植村さんが「ナゴヤ商店街オープン」に参加した事によってスタートしました。1階と2階を丸ごと借りるのが条件だったため設計事務所以外のテナントも入れる必要があり、複合施設として開業する事となったそうです。1階は植村さんの奥様がパティシェの焼菓子店とスペシャルティコーヒー店、お花屋さんが入り、2階は植村さんのオフィスとレンタルスペースとなりました。
「街のLiving(リビング)」というコンセプトで人の交流が生まれ、波及的に新しいお店も商店街にオープンし始め、西山商店街は徐々に復活していきました。
ニシヤマナガヤ2階
という事で、まずは2階を見せていただきました。テーブル部分がレンタルスペースとなっており、他はオフィスになっています。木を多用した温かい造りですが、天井がインダストリアルな雰囲気でほっこりではないスタイリッシュな空間となっています。オープンな仕切りで人の気配が感じられ、自然と交流が生まれそうですね。
「植村康平建築設計事務所」のオープン壁に飾られていた建築模型です。なおもう一つのオフィスは建築写真を手掛ける「ToLoLo studio」という会社だそうです。
レンタルスペースにはキッチンもあります。このキッチンは「イリエ製作所」というオーダーメイドキッチンの会社によるものだそうです。ここでは料理教室も開かれているそうです。
「ニシヤマナガヤ」は令和3年度の「愛知まちなみ建築賞」を受賞したそうです。過去の受賞作品を見ると愛知県の景観を代表する建築が名前を連ねています。
ニシヤマナガヤ1階
ではいよいよお待ちかねの1階カフェエリアです。コンクリートと木材を使った、開放感のある店内です。
通りに面した大きな窓から自然光がたくさん入り、とても居心地のいい空間です。一人でもフラッと入りやすいですね。
反対側はこんな感じです。
【焼菓子moegiiro】
入って左側奥は植村さんの奥様がパティシェでいらっしゃる「焼菓子moegiiro(モエギイロ)」です。元々は植村さんの設計事務所と奥様の焼菓子のお店を一緒に作りたい、という事から「ニシヤマナガヤ」はスタートしたそうです。
「焼菓子moegiiro」のお菓子は「暮らせる図書館」の入館料に付いてきます。無農薬小麦粉、平飼い卵、有機砂糖を使って丁寧に作られた優しいお菓子です。砂糖は白砂糖は使っていないそうです。厳選された材料のおいしいお菓子が図書館でもいただけるのは嬉しいですね。
カヌレやスコーン、クッキー類などこちら側に並んでいるお菓子は年間を通じた定番商品だそうです。ツヤツヤとしたカヌレ、おいしそう!
ショーケースに入っているものは季節ごとに替わるそうです。
「ティラミスエクレール」はかなり大きくてボリューム満点でした。マスカルポーネ入りでティラミスもエクレアも一緒に食べられる! お隣の「Story Coffee」さんの豆を使ったエスプレッソ入りだそうです。
たっぷりのリンゴをつかった「タルトタタン」です。使用するリンゴはその時により変わるそうですが、この日のものは紅玉を使っているそうです。
かわいいオリジナル巾着トートも売っていました。5周年記念だそうです。
【Story Coffee】
入口から向かって右の奥がスペシャルティコーヒーショップ「Story Coffee」です。スペシャルティコーヒーとは、農園からカップに至るまでの道筋が明確かつ、スペシャルティコーヒー協会の定める品質の判定基準を一定点数以上満たした高品質なコーヒー豆の総称だそうです。
コーヒーはシングルオリジン数種にブレンドやデカフェがあります。日替わりコーヒーは定価より50円引きだそうです。「日替わり珈琲チケット」は6杯分で3,000円(税込)なので、1杯あたり500円! 普通に飲むより100円ほどお安くなるのでご近所の方は絶対これがお得! コーヒー以外にも紅茶やバタフライピーのミルクティーといったものもあるので、コーヒーが苦手な方も大丈夫です。
なおお支払いは「Story Coffee」さんは現金以外に「PayPay・LINE Pay・メルペイ・au PAY・d払い」が使えます。「moegiiro」さんと「たんぽぽ」さんはPayPayが使えます。
「Story Coffee」のコーヒーはネルドリップで淹れているそうです。ペーパードリップはコーヒーのおいしい成分である油分を取り去ってしまいますが、ネルドリップはその旨味も通す事ができるので、とても美味しいコーヒーになるそうです。
ご自宅用のネルドリッパーも売っていました。使用後は必ず水洗いで、洗剤は使わないでいただきたいそうです。コーヒーを淹れた時に洗剤の味がしてしまい、せっかくの美味しさが損なわれてしまうからだそうです。
ドリップバッグも売ってますよ♪
【草木花の店たんぽぽ】
お店に入ってすぐの手前はお花屋さんの「草木花の店たんぽぽ」です。「ニシヤマナガヤ」の正面でまず目に入るのが、「たんぽぽ」のこの美しい花々です。このお花が非常に良いアイキャッチになっていて、思わず入りたくなりますね。
ブーケを作っていらっしゃったので撮らせていただきました。ちょっとだけ野趣が感じられるアレンジメントで、花園をそのままブーケにしたようなナチュラル感とエレガントさ! 色の取り合わせがとても素敵です。
「たんぽぽ」のモットーは「敷居の低い花屋さん」との事で、お花を買い慣れていない方向けのお店だそうです。あまりお花の事を知らなくても、気軽に買えるようなお店だそうです。商店街にお買い物に来て、ついでにちょっとお花を買って豊かな気持ちになれるような、そんなお店です。
お店の外には鉢植えもたくさんありました。クリスマスといったらやっぱりポインセチア!
12月中旬現在は、クリスマス向けとお正月を意識したものが充実しているそうです。
こんなかわいいお正月用のカメさんも。
いざ実食!
「ニシヤマナガヤ」1階はフードコートのようなシステムになっていて、それぞれのお店でお会計をします。注文したらテーブル席でいただきます。フルサービスのカフェよりも気軽に美味しいものがいただけます。
私はリンゴのケーキが好きなので、撮影中もタルトタタンをロックオンしておりました。コーヒーはせっかくなので日替わりコーヒーで50円引き! この日は「エチオピア グジ G-1 アナソラ アナエロビック」というコーヒーです。撮影しやすい、光が入るカウンター席で!
コーヒーはカップにタップタプに入っているのがうれしい! たっぷり飲めます。このような豆の説明文が付いてきました。「赤ワインを思わせる芳醇なフレイバー、ジューシーで果実感のある酸味に、アプリコット系の甘味の調和が素晴らしく、アナエロビックプロセスの特徴が全面に出た個性的な珈琲です。」という説明でした。
冷めないようにコーヒーカップにこんな蓋がしてあるのがなんともうれしいお心遣いです。一口飲んでみたら、いつも自分がペーパードリップで淹れてるものとは全然違います! 複雑な味わい、確かに「旨味」としか言えないようなものがあります。うんまい! 商店街でこんなコーヒーが飲めるなんて、西山学区の人は贅沢です。私は酸味のあるコーヒーが好きなのですが、一般的にはあまり好まれないようでマイルドなものが多い気がします。でもこのコーヒーはちょうどいい酸味で、非常に好みの味でした。
ではタルトタタンをいただきます。見てください、この美しく透けるリンゴ! 「紅玉だ!」とすぐ分かる、すっきりとして瑞々しい酸味。アップルパイなども甘いのが多いですが、この芳醇な酸味はなかなか出会えないものだと思います。上品で繊細な酸味です。というか、自分は酸味のあるものが好きだったんかい、と今更気付きました(笑)。
タルトもしっかりと食べ応えがあって、サックサクで香ばしい! おいし~♪ こんなに美味しいんですから、「暮らせる図書館」でいただける焼菓子もきっと絶品ですよ!
コーヒーを飲んでいったら、アリスが出てきました! なにこれかわいい♪ 「Story Coffee」は「不思議の国のアリスを始めとした、童話の世界観がモチーフの珈琲店」だそうです。あ、だから「Story」なんだ! と今書いてて気付きました。 受け皿もかわいいです。
美味しいコーヒーとお菓子を、美しいお花とスタイリッシュな建築に囲まれていただく、幸せです♪ こういう何気ない壁のあしらいもセンス抜群です。
ニシヤマナガヤへの行き方
「ニシヤマナガヤ」へは地下鉄をお使いの場合は東山線「星ヶ丘」駅5番出口から徒歩15分です。ちょっと歩くのは遠いので、バスが便利です。「星ヶ丘」から乗って「西山本通二丁目」で降りてください。公式サイトの地図もあります。
駐車場は西山商店街共同駐車場が6台分あります。満杯の場合は近くにコインパーキングもありますので、公式サイトでご確認ください。
また各店舗は営業日が違うので、ニシヤマナガヤのInstagramでご確認ください。私が伺った金曜日は1階の3店舗が勢揃いする事が多いようです。
「ニシヤマナガヤ」の隣には「コトづくり研究所」という多目的なレンタルスペースがあります。ここは2024年3月3日にオープンしました。
西山商店街には地域の方が使えるレンタルスペースが多数ありますが、「暮らせる図書館」の藤野さんによると、「暮らせる図書館」は2階で外には面していないのでワークショップや習い事のような部屋の中でみんなでやるものが向いているそうです。「コトづくり研究所」は歩道に面しているので物販が適しているそうです。マルシェのようなものはこちらが良さそうです。「ニシヤマナガヤ」のレンタルスペースは単発のものよりも継続してやるものが向いていてスケジュールもパンパンだそうですので、まずは手始めには「暮らせる図書館」か「コトづくり研究所」でやってみては?
西山商店街はイベントが盛んだそうで、皆さん大変活発に活動されているようですね。
人が集まる「ニシヤマナガヤ」から始まり、西山商店街は地域の方々が生き生きと生活を楽しんでいる素敵な商店街になりました。椙山女学園大学や愛知淑徳大学も近いので、これらの大学とのコラボレーションも盛んなようです。自宅近くにこんな所があるのはうらやましいです。
あなたも美味しいお菓子とコーヒーをいただいて、お花を買って帰りませんか? とにかくどこもかしこもセンスに溢れているので撮影もノリノリでした!
*ニシヤマナガヤ様、焼菓子moegiiro様、Story Coffee様、草木花の店たんぽぽ様、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
「ニシヤマナガヤ」はこちら↓