【名古屋市千種区】マーダーミステリー専用ルームと就労支援も!東山公園に「ボードゲームカフェ ZORN」が4/17に開店しました
2024年4月17日に東山公園駅すぐの場所にオープンした、「ボードゲームカフェ ZORN」に行ってきました! 約300種類ものボードゲームが遊べるカフェです。
ボードゲームカフェというのは、代表的なもので言うと「人生ゲーム」や「オセロ」のようなアナログのゲームを、他の人と一緒に遊べるスペースの事です。ゲームというとデジタルが主流ですが、その反動からかアナログのボードゲームの人気も近年復活しています。音楽の定額ストリーミングサービスに対するレコード人気の復活のようなものかもしれません。
お店の場所は東山公園駅1番出口直結という超駅近!
営業時間は16:00-23:00、定休日は月曜日と火曜日です。利用料金は平日1時間500円からという良心的な価格です。ドリンク200円、アルコールも300円というお手頃価格。
明るい店内にはたくさんのボードゲームが並びます。パズルゲームやお子様向けのゲームも揃っていますので、ご家族で遊びに来ることもできます。
ボードゲームの世界的なベストセラー「カタン」や「ドミニオン」はいろいろなシリーズが揃っています。凝ったデザインのものも多いので見た目も楽しいですね。ボードゲームは1プレイ15分程度のものから2時間くらいのものまでいろいろありますので、自由に選んで遊んでみてください。
「マーダーミステリー」「テーブルトークRPG」とは?
「ボードゲームカフェZORN」の自慢は、マーダーミステリー専用ルームがある事です。先程の明るい店内から一転、ドアを開けると赤と黒のミステリアスな部屋が!
「マーダーミステリー」とは一種のロールプレイングゲームですが、その前にその基となったゲーム「TRPG」について説明しましょう。
「テーブルトークRPG(TRPG)」の本(ルールブック)も各種揃っています。「TRPG」というのは、コンピューターを使わないロールプレイングゲームの事です。紙や鉛筆、サイコロなどを使って、会話とルールブックに従ってゲームを進めていきます。1974年にアメリカで生まれた「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が世界最初のロールプレイングゲームですが、日本ではこれが普及する前にコンピューターやファミコンのRPGが人気になったため、会話型のアナログRPGの事を「テーブルトークRPG(和製英語)」と呼ぶそうです。
TRPGは1980年代末から90年代前半に文庫本が出て日本でも人気を博します。富士見書房がその代表的な出版社です。しかしその後オンラインRPGの普及やトレーディングカードの登場などにより、TRPGは冬の時代を迎えます。2000年代になるとルールブックの出版数も復活、2000年代末から2010年代初頭には動画サイトに解説動画やリプレイ動画が投稿されるようになり、第二次ブームを迎えたそうです。特に「クトゥルフ神話TRPG」がそのブームを支えたそうです。現在では人気ライトノベルのTRPG化などもあり、10代から20代にはすっかり浸透しているようです。
また近年では「TRPG」のリプレイ動画(プレイした結果を残した動画)を配信する人気YouTuberも多いそうで、一つの定番ジャンルになっているそうです。
この人気に目を付けて、静岡県掛川市の観光協会は「掛川TRPG先進都市化計画」と銘打って掛川市を舞台としたTRPGプロジェクトを展開しています。掛川市が舞台のシナリオを募集したりイベントを開催したりしているそうです。
「マーダーミステリー」の先行ジャンルに、日本でも大流行した「人狼ゲーム」がありますが、これは「TRPG」の派生的なもののようです。「TRPG」「人狼ゲーム」「マーダーミステリー」は、ゲームマスター(進行役)とプレイヤーがルールブック(シナリオ)に沿って会話をして進めていくゲーム、というのが共通点のようです。
「マーダーミステリー」は殺人事件の犯人を推理していく会話型ゲームです。参加者はそれぞれの登場人物の役になり切って犯人を推理し、犯人役は逃げ切るのを目的にゲームを進めます。マーダーミステリーにはそれぞれの役柄ごとにバックボーンや事件当日の行動などが書かれたシナリオが用意されていて、推理小説に没入するような体験ができるのが特徴です。一度プレイすると謎が解けてしまうので、一生に一度しかプレイできない事も特徴です。ゆえにネタバレは厳禁です。2010年代後半から中国で盛り上がり始めたそうで、最近では日本でも専門店が増えてきているそうです。宿泊施設とのコラボもあるようです。
「ボードゲームカフェZORN」には個室のマーダーミステリー専用ルームがあるので、より没入感が味わえます。マーダーミステリー専用ルームがあるのは千種区では唯一、名古屋市内でも数えるほどしかないそうです。事前に予約すれば貸し切りもできますので、公式サイトでご確認ください。ご自身でマーダーミステリーのイベントを主催したりするもの楽しそうです。
ゲームマスターはシャーロックホームズのようなコートを着たり、キツネの面を被ったりして雰囲気を盛り上げる事もできます。
静岡県は先述の掛川市の例もあったりと、何かとボードゲーム界隈が盛り上がっているそうです。2024年7月27日には「はままつボードゲーム祭」が開催されるそうです。
2025年1月18日・19日には大阪で「ボードゲームビジネスエキスポジャパン」が開催されるそうです。
「ZORN」はボードゲームに特化した就労継続支援B型事業所
「ボードゲームカフェZORN」の最大の特徴は、就労継続支援B型事業所ZORNが運営するボードゲームカフェである事です。「就労継続支援B型」とは、障害や難病のある人が利用できる障害福祉サービスのひとつです。一般企業と雇用契約を結んで働くことが困難な人が、体調を見ながら就労へのスキルを身に付けたり就職の機会を得たりすることができます。発達障害や引きこもりといった対人コミュニケーションに不安がある方も、徐々に慣らしながら就労への第一歩を踏み出すことができるそうです。
ボードゲームは会話をしながらゲームを進めていくため、コミュニケーション能力やチームワーク能力を身に付けるのに役立つと、障害福祉の分野でも注目されつつあるそうです。「ZORN」は福祉業界で初めてボードゲームを取り入れた事業所だそうです。
午前中から午後3時までは就労支援事業所として活動し、午後4時からはボードゲームカフェとして営業しているそうです。
就労継続支援B型の事業所での仕事は単調な軽作業が多いそうですが、「ZORN」はボードゲーム制作作業などクリエイティブな才能を発揮できるため、満足度が高いそうです。こちらのオリジナルゲームはここでしか買えないものだそうです。また店内のゲームに付けるPOPも作っているそうです。
在宅でホームページ制作の技術も学べるそうで、自分のペースで自立へのスキルを身に付ける事ができるそうです。
ボードゲームカフェのスタッフとして働くことはお客様から直接「ありがとう」と言われる機会も多く、やりがいを持てるそうです。
ボードゲームカフェには食べ物の持ち込みも可能だそうです。こちらの電子レンジやトースターで温められます。長丁場のゲームだとおなかも空きますよね。こちらのビルの1階にはコンビニがあります。でもドリンクは「ZORN」で注文してあげてくださいね♪
取材時、スタッフの皆さんがとても楽しそうにゲームをしていたので、「顔にぼかしを入れますから写真を撮らせていただけますか?」と聞いたら、なんだったら顔出ししたい、との事でしたのでそのまま載せます! 皆さん和気あいあいとしていらっしゃいました。
この「宝石の煌き Splendor」というゲームがお店の一押しだそうです。凝ったボードゲームはなかなかのお値段がするので、購入前にこちらで一度試してみるのも賢いやり方かもしれません。
ボードゲームに関しても障害福祉の事についても本当に門外漢で、前日に付け焼刃でざっくりとした情報を入れて取材に伺ったのですが、知らない事ばかりで大変勉強になりました。TRPGと掛川市の事もスタッフの方が教えてくださったり、皆さん好きな事で働けてとても生き生きしていらっしゃいました。自信も付きますね!
ボードゲームが初めてだったり、一人で来てもスタッフさんが丁寧に対応してくださいますので、安心して遊びに来てください。
また随時大会などイベントの告知もありますので、お店のInstagramまたはX(旧Twitter)もチェックしてみてください。
「ボードゲームカフェ ZORN」はこちら↓