【名古屋市千種区】大正時代の現役建築「名古屋地方気象台」は今年で101周年!8/3「お天気フェア2024」が開催されるそうです
2024年8月3日(土)の10:00~16:00、「名古屋地方気象台」で「お天気フェア2024」が開催されるそうです! イベント内容は「気象台見学」「お天気相談」「気象実験」などで、大人も子供も楽しめるもののようです。事前申し込みは不要、無料です。当日は公共交通機関でお越しください。
丸い気象レーダーが印象的な「名古屋地方気象台」は、標高50mの本山の小高い丘の上にあります。「本山」駅1番出口から北へ徒歩10分程の所にありますが、なかなかの角度の坂を上っていくので頑張りましょう。近隣には飲み物の自動販売機などはありませんので、水分補給のための飲み物持参を忘れずに!
「名古屋地方気象台」はこの地で業務を開始してから2023年で100周年を迎えたそうです。「100周年記念特設サイト」もあります。
1890年(明治23年)、「名古屋地方気象台」の基となった「名古屋一等測候所」が当時の「名古屋市南武平町二丁目」(現在の栄のNHK付近)に創設されます。1902年(明治35年)に「愛知県測候所」と改称、1923年(大正12年)1月1日、現在の地で業務が開始されます。「本庁舎」はこの当時から使われている建物なので、2024年で101歳になりますね!
業務開始当時のここの地名は「名古屋市東区田代町金児硲(現在は名古屋市千種区日和町)」だったそうです。1938年(昭和13年)に国営に移管して「中央気象台名古屋支台」と改称、翌1929年(昭和14年)に現在の「名古屋地方気象台」に改称したそうです。
現在はこの周辺は閑静な住宅街ですが、開業当時は「移転先の測候所は…小高い山の上で、周囲は一面雑木林に取り囲まれた寂しい所で、人家といえば山の下に家が4,5軒あったくらい」と名古屋地方気象台「創立100年誌」回想録に書かれているそうで、今とは比べ物にならないくらい自然豊かな所だったようです。
100年以上同じ場所で観測を継続しているというのは非常に貴重なデータで、100年間で都市化が大きく進展している名古屋市の観測データは均質性が保たれていることから都市化の評価を行う恰好のデータとなるそうです。
本庁舎の建築様式は明治から大正時代の他の気象台と同じく擬洋風建築です。1922年(大正11年)竣工、鉄筋コンクリート平屋造り(ただし屋根と床は一部を除いて木造)で、新築当時は瓦屋根だったそうです。塔のような風速計台の内部の木造階段は当時のまま残っているそうです。8月3日のイベントではこの辺は見られるのでしょうか? 大正時代の建築が個人的に大好きなので見たくてたまりません!
本庁舎の各部分の装飾は、ウィーン19世紀末に流行した「セセッション(ゼツェッション)様式(ウィーン分離派)」の意匠が使われています。ウィーンでは1897年に「オーストリア造形芸術家連盟ゼツェッション」が設立され、初代会長はグスタフ・クリムト、建築からはヨゼフ・マリア・オルブリッヒやオットー・ワーグナーが加わり、1920年代へと続くモダニズムの布石となったそうです。同時代の「アールヌーボー」と同様に幾何学的意匠や渦を巻く植物模様が特徴ですが、日本では大正時代(1912~1926年)になってから関心が高まったそうです。「大正ロマン」のデザインがしばしば「世紀末風」なのはそういう理由だったんですね。
年季の入った「名古屋地方気象臺(台)」の表札がありますね。観測業務は現業庁舎に移りましたが、本庁舎は会議や事務作業などで現在もしっかりと使われています。全国の気象台の中で現役で使われている最古の建物だそうです。瓦屋根はなくなり窓もアルミサッシになりましたが、外観はほぼ建設当時のままだそうです。
気象庁のマスコットキャラクター「はれるん」、ご存じでしたか?
「はれるん」はInstagramもやってます。
木造2階建の現業庁舎が1948年(昭和23年)に竣工されましたが、1959年(昭和34年)の伊勢湾台風により大破してしまいます。1961年(昭和36年)に現在の鉄筋3階建の新現業庁舎が竣工されました。こちらの建物も今年で63年となかなかのヴィンテージです。
名古屋の「桜の開花宣言」や「梅雨入り・梅雨明け宣言」が大正時代の建物からされているというのは、意外と名古屋の人にもあまり知られていないのではないでしょうか?
どことなく繊細で優美なデザインの本庁舎と、コロンとかわいい気象レーダーのある現業庁舎の中に入る事の出来る貴重なイベント「お天気フェア2024」に、あなたも行ってみませんか?
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